いつまでも最終回

終わる終わる詐欺です

風邪っぴきのクリスマスから年末まで。

いつも誰かが咳をしているような職場にいて、いつのまにか自分が咳をする番になっていた。先週末から始まった喉の痛みは治ったものの、代わりに咳が止まらなくなった。身体の怠さや寒気、頭痛はない。とはいえ、年が暮れようというこのタイミングで風邪気味になるとは何と間の悪い。終わらない仕事を忘れたふりして、帰宅する。

病気に打ち勝つということで、晩御飯はとんかつにした。松屋系列のとんかつ屋に入り、開閉するたび冷気を呼び込む自動ドアから一番遠い席に選んで座った。特に空腹なわけではなかったため食へのモチベーションは低く、リーズナブルなロースカツ定食を頼んだ。すぐに運ばれてきて、私は早速とんかつとキャベツにソースをかける。普通のソースと辛口ソースがあったが今日は冒険する気にもなれないし、そもそも喉の調子が悪いので普通のソースにした。時を同じくして似たような定食が隣の客にも運ばれてきて、ソースをとんかつにかけるところまでは私とシンクロしていた。しかし彼はとんかつ横のキャベツにドレッシングをかけていて、私は天地がひっくり返るかと思った。私にとってとんかつに添えられるキャベツとはソースを合法的に舐めるための道具に過ぎず野菜として楽しむものではなかったからである。言われてみればこれも一人暮らし男性には貴重な野菜、、ドレッシングをかけて食べた方がプラシーボ効果により栄養素をたくさん摂取できるような気もした。いや待て、そんなわけはない、ない。さっさと食べ終えて家路を急ぐ。

ああ、家には何もないんだった。スーパーに寄ってアクエリアスを買い込む。レジで僕の前に並ぶのは女の子4人組で、彼女らの前にはピザとチキンとお酒が所狭しと詰め込まれたカゴ。レジが終わると狭いスーパーの通路を広がって歩きながら発せられた「自分の酒は自分で持てい!」なんて浮かれた声を聞き流し、1人家路を急いだ。東京ほどではないが、こちらも今日は寒い。こういう日に限って玄関の鍵は鞄の奥底に隠れている。寒く薄暗い廊下でスマホの明かりを頼りに捜索していたら、なんだか惨めで堪らなくなってきた。これが水曜日のクリスマス。

その後病院に行って貰った薬が良かったのか大分回復したのが金曜日。仕事納めで15時上がり。これは身体にいいですねえ。

土曜日は朝から空港に移動。沖縄へひとっ飛び。親戚の家で小学生の従兄弟の子守を数日します。小学生の従姉妹はめちゃくちゃ元気で一緒にスイッチで遊んだりポケモンgo やったり。5年ぶりくらいにあったけど、懐いてくれて良かった。良い年末の始まりだ。早く咳が止まればいいな。

2020年、頑張ろう。